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日本児童英語教育学会中部支部 January 2004 第9号 |
巻頭言:共有する場としての学会
2003年から公立小学校で国際理解教育の一貫として英語教育の実践が繰り広げられてきています。そこでは楽しい英語を目指し、また英語の会話力をも視野に入れた指導がなされている現場もあるでしょう。一方、小学校の児童の年齢を考えた異文化理解の視点から、英語の導入をされている現場もあるでしょう。
このように教育現場で日々実践されている方々にとり、意見交換、研究発表、実践・調査分析報告といった英語教育全般に関わる問題や解決策を共有する相互理解の場として、本学会の研究会の役割があると思っています。
2004年も多くの方々のご参加をお待ちしております。 駒澤 利継
(東海大学付属小学校)
2月8日(日)岐阜市で春季研究大会
来る2月8日(日)に、岐阜市、ハートフルスクエアーG(JR岐阜駅構内)において中部支部冬季研究大会を開催いたします。今大会では、公立小学校、民間、中学校と、様々な視点からの実践報告をしていただきます。また、参加者全員で全体討論する場も設けました。「高学年の指導のあり方」をメインテーマに、活発な意見が交換される場となることを願っています。皆様万障お繰り合わせの上ご参加くださいますようご案内申し上げます。詳細は同封のプログラムをご覧ください。問い合せは中部支部事務局([email protected])、あるいは大会実行委員(野田かなえ
[email protected])までお願いいたします。
第23回全国秋季
研究大会報告
第23回全国秋季研究大会が去る2003年10
月12日(日)に静岡の常葉学園大学にて約200名の参加者を集めて盛大に開催されました。以下が大会の報告です。
「小学校高学年の英語活動に、国際理解教育をどのように取り入れるか」
別府邦子(Kiddy Giraffe 英語教室主宰)
別府先生の発表は、分かりやすく、具体的で、経験に裏打ちされた発表だった。感銘を受けた点を挙げたい。
1:実際に使った教材
具体的なものを提示され、実物ほど説得力のあるものはない。臭いのする生ごみを含むごみや、砂漠のバラやさそりの標本などなど、児童は大いに興味を持つと思った。
2:チャーンツの活用
ごみ、砂漠の人々といったトピックにまでチャーンツが作られているということには驚いた。筆者は、歌、チャンツ、物語を読むという分野と国際理解教育の分野は、リアリティーというところで相容れないと思っていたが、導入部を音声中心にして入り、好奇心をふくらませていくやり方は、国際理解教育を英語という言語を介して学ぶ際のすばらしい導入部になると確信した。
3:フォーミュラの活用
They need ----
. They don’t need --- . What do they need---? このフォーミュラは筆者が5,6年生の授業でアフガニスタン難民キャンプの子供たちを取り上げた時にも活用したが、別府先生の活用には、感銘を受けた。複雑で、分かりにくい国際理解教育の問題をこういった簡単な英文で表現できるということに、児童たちは喜びを感じたのではないだろうか。文は平易でも思考は広がるはずだ。
4:写真、絵、ワークシートなどの活用
視覚的な刺激は授業を活性化していきます。この発表は、学ぶところの多い、優れた発表だったと思う。
伊藤邦子
(常葉学園大学外国語学部附属橘小学校)
国際理解教育と自己肯定観の育成の重要性 ―母親のことばかけと子の自己肯定観の関連―
保坂淳江 (English Study Peers)
発表者の保坂淳江氏は、静岡県沼津市を中心に、20年以上にわたり、児童英語の指導者の研鑽・親睦を目的として「英語を学ぶ仲間の会」を運営してきており、今年10月には、特定非営利活動法人(NPO)として認定を受け、事業の拡大、充実を図っている。
この発表では、同法人の活動の二つの柱、すなわち、@英語環境普及事業とA生活情報交換事業のうち、後者の分野では、母親のことばかけが子どもの自己肯定観に関連があり、それが、英語学習と並行して育成されるべき国際理解能力にも影響を及ぼすということを中心に主張された。まず、母親の幼児へのことばかけ・褒めことばについての聞き取り調査、母親のわが子に対する肯定的なことばと否定的なことばの頻度調査、自己肯定度の母子比較について、調査の方法とその結果を報告した。頭ではわかっているつもりでも、なかなか出さないプラスに働くことば、逆についつい出てしまうマイナスに働くことばが紹介され、身に覚えのある(?)ギャラリーからは苦笑いがもれた。また、ことばだけでなく、hug, smile, kissといったnon-verbalなリアクションの意義の大きさも強調された。
まとめとして、我々日本人の日本語によるコミュニケーションの特質を踏まえ、目標言語である英語のコミュニケーション・スタイルやその背景にある価値観などからヒントを得て、子どもたちの自己肯定観を高めようと力強く述べた。それが、異文化理解、国際理解につながり、地球市民として国際語としての英語によるコミュニケーション能力の育成に結びつくのである。自己肯定観を持つ人こそ、幸福感を抱くことができる…。保坂氏の愛と情熱に満ちた発表であった。
永倉由里(常葉学園短期大学)
「早期英語教育の有効性」 ―異文化を受け入れる態度の育成― 岐阜県下でのフィールドワークから
三尾弘子(関市関商工高等学校)
橘堂弘文(ノートルダム女子大学)
岐阜県下の研究開発校の卒業生が進学している中学校で273名を対象に「異文化を受け入れる態度」に着目して追跡調査した結果に関する発表だった。 早期英語教育経験者は未経験者に比べ、「異文化を受け入れる態度」が積極的であることが検定結果の数字で確認されたが、下記の2点の先生の発見は参加者にも興味深かった。
@早期英語教育経験者は英米のみならず、諸外国の文化を受け入れることにも積極的な態度が見られる。
A早期英語教育経験者は、日本の文化を外国に紹介することも大切であると思うようになる。
三尾先生自身は現在高校の先生で、自分の教える高校生のバナナの発音が日本語式[banana]に対し、調査のため訪れた研究開発校の小学生の発音が[b∂nan∂]と英語そのものであり、しかもそれを臆せず発音していることに驚かれたという。幼児・児童英語に携わる私には嬉しいことを言われた。だが、良い事ずくめではない。早期英語教育経験者は、中学で英語ができてしまい、それゆえ力を抜き、興味がつながらず、意欲欠如におちいるケースもあるとか。これはイカン!今後の課題だ!
箕浦永生(English House)
教育現場との連携:小学校における英語教育実践活動を通して
與儀 峰奈子(琉球大学)
ここの英語科では、平成11年度から英語教員養成の一環として、大学生の参画による小学校における英語教育実践活動を実施しているそうだ。大学1年生から始め、四年間を通して行うことに特徴がある。早い時期から教育現場に関わらせているのだ。與儀先生は、学生が学級担任からクラス運営やその他のアドバイスを受けながら、協力して授業に取り組むと言う点が、今までのALTやJTEの補助的な役割とは大きく異なっていると指摘された。そして、このプログラムの多くのメリットの一つとして、学生は教科指導技術や教師としての力量を体験的に磨くことができ、一方、学校現場は大学生が作成した手作りの授業案・教材・教具を活用できる報告された。
今までの、大学生が行った英語実践授業に対する小学生の反応を得るための調査(対象は琉球大学附属小学校4年生から6年生までの360名)でもその成果を示している:英語の授業は楽しかったですか?(肯定的意見73%)、これからも英語を習いたいですか?(同72%)、大学生の英語の先生の教え方はどうでしたか?(同82%)。
與儀先生は、問題点や改善して欲しい点、今後の課題として次のようなことを述べた。このプログラムを円滑に推進していくために、英語教員の大幅な新規採用と小学校教員の再教育等の検討。大学と各小学校を繋ぐ窓口的役割は行政サイドが担うのが望ましい。中学へのスムーズな橋渡しができるようにしていくこと。
このプログラムでのように、学生が早い時期から教育現場に関わっていくということは、彼らが自ら考え、主体的に行動するという面で非常に役に立つと筆者も考える。
大野千鶴(浜松大学非常勤講師)
小学校英語活動の質的向上に向けた指導者資格制度の研究と実践
橋本和(松香フォニックス研究所)
児童英語教育に関して興味を持ち始めたばかりの私にとって、もうここまで進んでいるのか、というのが正直な感想である。中学で教えている教員がいかに小学校の実情を把握していないか、社会の動きに鈍感であるか、感じずにはいられなかった。
今回の発表で小学校英語教育を行える者としての「資格」の必要性を実感できた。小学校で英語教育活動を行えると公に発表されてから、全国の小学校ではなんらかの工夫をほどこしながら新しい動きが起こっていることだと思う。ただし、やはり小学校教員がそのまま「英語」を教えていくことには、やはり無理があるのでは?という、大きな疑問をぬぐえない。そこで民間人の活用、ということだが、「学校」という場で教えるための「資格」は様々な立場の人から挙げられる問題となるのであろう。
これからの英語教育を考えていく上で、小学校英語教員の増員は避けられないものだと痛感する。また、より内容の濃い、質の良い授業を展開するための知識を持っている人材を育成することで小学校での英語教育活動を意味のあるものにできるだろう。先をみこした活動をすることによって、中学・高校への橋渡しが少しでもスムーズにいくのではないだろうか?
小学校での体験はそれぞれの生徒にとって大きな意味を持っていると、現在中・高の生徒を見て感じる。現在私が勤務している学校では、約半数が小学校時代に英語に触れた体験を持つ。そのような生徒を相手に5.6年前と同じような内容で英語を教えて良いものだろうか?このような資格こそ、現在の中・高英語教員も参加するべきではないかと考えた。
永田知里
(常葉学園中高等学校非常勤講師)
ニーズ評価にもとづく小学校教員教育カリキュラムの開発及び関連ウェブサイトの開発」
Curtis Kelly (平安女学院大学)
Tom Merner(日本外国語専門学校)
Curtis Kelly、Tom
Merner 両先生のご提案は、全国の多くの小学校で、誰が、どのように、何を目的として教えるのかという根本的な問題に明確な答えを見出せないまま、心強いサポート体制も無く、主に「総合的学習」の中に取り込まれた英語教育に、四苦八苦しながら取り組んでいらっしゃる小学校の先生方にとって、朗報となるものであった。
英語を得意としない先生方が、いきなり英語を子供達に教えなければならない。日常の忙しさに加え、自ら学びながら授業を構築しなければならないのであるから、小学校の先生方には、この英語教育がかなりの負担になっているはずだ。自らが学ぶ場所や時間の確保も、容易でないことも想像に難くない。
そんな先生方も、インターネットが利用できれば、時間的問題が解決できる。また、インターネットなら、いち早く最新の情報が入手でき、より多くの先生方が同時に学べるという点で、効率も良い。さらに、同じ悩みを持つ先生方が語り合える場の提供は情報交換に最適な場となるだろう。
ニーズ分析をもとに、小学校の先生方に必要とされる研修内容が提供されるのであるから、大変な作業であろうが、できあがったサイトは、かなり実用的なものになるはずである。実践的英語教育入門のようなサイトになれば、小学校の先生方だけでなく、幅広い人たちが利用できるであろう。完成が楽しみなご提案であった。
竹内則子
(常葉学園橘中・高等学校教諭)
音楽的こころ—英語学習のための音楽の効果的な用い方 --Musical
Minds
Craig Kingsley (河合英語教室・
河合楽器中部支部英語推進指導部)
Mr. Craig Kingsley took attendees to his workshop
on an interesting journey into the psychology of music in learning. It began with a practical look at the
natural use of rhythm and music that adults use to communicate with very young
children, then moved to exercises showing the value of music for retention,
pronunciation and intonation. The
workshop concluded with practical exercises for encouraging students to
actively participate in singing exercises, using a variety of music styles and
game structures to keep interest high.

中学校英語との関連を考えた小学校英語活動の実践例
梅本多(河内長野市立天野小学校)
大阪府の天野小学校は200名ほどの小規模な小学校であるが、研究指定を受けて、英語活動を取り入れ、中学年で月2回、高学年で週1回の授業を行っている。今年は8年目ということで、小学校での成果をより確実なものにするための対応策、また英語に対して苦手意識のでてきた児童に対する対応策など、さまざまな問題提起がされる中で、小学校と中学校との連携の重要性が挙げられ、校区の中学校を巻き込んでの新しい研究が始められている。小学校1年から4年までを前期、5年生から中学1年生(“7年生”と呼ぶとのこと)までを中期、中学2、3年生を後期と呼んでいる。天野中学校を始め、3校の卒業生が西中学校に入学するが、お互いに授業交換をし、教員が小学校、中学校の両方で教えたり、授業参観、研修会、意見交換を活発にし合うなどのプログラムが始められている。
現場の教員が共通認識を持つことは、なかなか難しいが、連携問題を意識することで、教員の姿勢に変化も見られるようになってきている様子を報告された。梅本先生の関西弁での発表は、その暖かなお人柄とユーモアが感じられ、先生を中心として小学校の先生方が雰囲気作り、話し合いのきっかけ作りを精力的に行うことで研究の成果がでてきていることが、感じられた。発音研修などにも中学校の先生も参加してくれるようになり、英語専科の先生よりも小学校の先生の方が、まっさらな状態で研修に取り組んでいる姿も見られるなど、お互いによい刺激となっていることを強調された。
実際の活動の様子、Telephone Skit, My Dictionary, Review
Challenge, Mixed Juice,“ことば体験記録帳”なども映像で紹介され、担任の先生が忙しい日程に中で、カリキュラム作り、教材作りに励んでいる様子がよく分った。研究はまだ始まったばかりとのことだったが、梅本先生が「“コミュニケーションの海”を全教育課程で作りたい。」と述べられたことが印象的でこれからの継続的な報告が期待される発表であった。
幸田明子
(常葉学園大学外国語学部講師)
中学との連携を視野にいれた出前授業の試み—付属橘小学校卒業生のアンケート調査より
幸田幸子(常葉学園大学)・長倉由里(常葉学園短期大学)・永田知里(常葉学園中学校)・竹内則子(常葉学園橘中学校)
幼稚園から大学まで15の学校を有する学園の中で、小学校から大学に勤務する4人の先生方が縦のつながりを意識し、一貫した英語教育の必要性とその可能性を提示した発表となった。
まず、常葉学園大学附属橘小学校の6年生が、修学旅行として福島にあるブリティッシュ・ヒルズに行った時の様子をビデオで見る。創立25年の中で培われてきた英語教育も、この様に実際に英語が使用できる場面を与えることで、自分の英語力の達成感を感じることができるという様子を垣間見ることができた。
次に学園内の学生、生徒、教員1800人以上からとったアンケートをもとに、中学校以前に英語を学んだ生徒とそうでない生徒の英語教育に対する意識を分析した。約88%の教員が、小学校英語の導入には賛成であり、教科としての位置づけを求めている。しかし指導者の問題や児童の負担増加に伴う時間割など、多くの問題点もあるのではという提示もされた。また、半数以上の学生、生徒が何らかの形で、中学校以前に英語を学習しており、76%の者が小学校英語の導入には賛成であるという結果だった。年齢が上がり目的意識が高まると、効果的な成果が見られるが、英語学習の目的を、生きる力としてのコミュニケーション能力の育成、国際語としてのツールとしての技能の育成、異文化理解の育成という3点から、一貫した指導目標を設定し、教員も柔軟な考えのもと共通した認識を持つことが必要である。
さらに今後、JASTECにも中・高校の先生方が参加し、いかに生徒を育てるかという点でともに連携しあえることが必要であるということであった。
木宮暁子(常葉学園高等学校教諭)
英語の「基礎身体能力」作りを目指す小学校英語活動
渡部友子(富山県立大学)
渡部氏は、開発と専任講師の派遣を民間に委託し、秋田県岩城町が町立2小学校で実施している通称「岩城プロジェクト」について発表された。今プログラムは、平成12年度に開始され、週1回で6年間の系統的な内容となっている。
まず渡部氏は、中学校で生徒が挫折を味わうのは、言語の4技能がほぼ同時に導入されることで文字と音の乖離が起こり、単語が読めないことに要因があるとされた。そこで、中学入学以前に身につけておくべき英語の基礎身体能力として、音声での働きかけに反応する能力と、音声を介して文字を理解する能力とを挙げられた。岩城プロジェクトでは、日本語がなくても分かる環境を整え、英語の音声インプットを最大限にすることを特徴としている。そして、中学年より徐々に文字を導入し、高学年でフォニックスの基礎を導入するとしている。
プロジェクト開始1年目、3年目、さらに中学入学後の4年目と、ほぼ同一クラスの子どもたちの様子を、経過を追ってビデオで紹介されたのは興味深かった。中学入学後の様子について、学習への興味、意欲が高い、音声言語への感度が高い、間違うことへの恐怖や軽蔑がない、遅れ気味の生徒が少ない、との評価が氏からもなされた。生徒の継続的調査と、岩城プロジェクト独自の効果の検証を今後の課題として挙げられたが、生徒の英語学習に対する積極性と意欲は、確かに音声言語を存分に経験してきたことに一因されるのではないかと感じさせられた。と同時に、「意味が分からないけど読める」ということに終わらない、本当の意味での読みの習得にさらなる期待を寄せたい。
野田かなえ(中部学院大学)
国際理解教育における小学校英語活動
(静岡県浜北市立北浜小学校 研修部)
北浜小学校では、平成13年度より「広い視野を持ち、主体的に社会にかかわる子供の育成」を研究主題に、英語活動を進めている。育てたい子供の姿として、「21世紀の国際人としての資質・能力をそなえた子供」を掲げ、研究組織は、1)フレンドリー部(教科・領域の中で育む)、2)コミュニケーション部(総合的な学習の時間・生活科・英語活動の中で育む)、3)ネットワーク部(交流活動の中で育む)の3つに分かれている。
同校での英語活動の時間は、全学級で毎週約20分となっている。特徴としては、1)年間テーマに沿ってHRTが素案作成後、JETと打ち合わせ、2)TTで授業実践(HRTが主体)、3)放課後に次週授業の打ち合わせ、4)指導者の形態を、HRTのみ、HRT+JET、HRT+JET+ALT、HRT+ALTなど様々なパターンを研究している、等が挙げられる。また、英語活動を行う「目的意識」が大切だと考え、諸外国との国際理解的な集会や、海外との様々な交流活動を積極的に取り入れていることが発表された。
会場からは、学習暦に伴った6年間のカリキュラムのあり方について、HRTが積極的に授業実践に関わることによる子どもへのプラスの影響について、また交流活動につなげるための各英語活動の具体的内容、文字活動の内容と評価法に関する質問が挙がった。時間の関係で、研究主題を支える具体的な活動内容や学年ごとのカリキュラムについて、より具体的にご紹介いただける時間が足りなかったことが残念であった。
野田かなえ(中部学院大学)
韓国の初等学校における英語教育-ソウル市路十里初等学校視察報告
田中真紀子(神田外語大学)
今回はじめてJASTECの研究会に参加させていただいた。当日は遠方からもたくさんの方がお見えになり、会場入り口で皆さんが楽しそうに再会の挨拶をするのをみて、学会は発表をきくだけでなく、同じものを研究する仲間の親睦会のようなものでもでもあるのだと、学生の私にはとても新鮮な光景であった。そしてまた新たな出会いから、またお互いの研究がより深いものになるのだと感じた。
お昼のワークショップが終わりこの発表の部屋に行くと、すでに教室は人でいっぱいでした。そして笑顔の素敵な田中先生の明るい声で発表がはじまった。
最近、大学の授業などで韓国の英語の授業について耳にすることが何度かあったが、実際に内容をみたり聞いたりするのは今回が初めてでとても楽しみであった。配布された資料もまとまっていて見やすく、補足説明も詳しくとても興味深い内容であった。
また授業の様子を実際にビデオ映像でみることができたのがよりよかった。すべて韓国人の先生が担当している英語の授業は、『外国語』を学んでいるという感じがしないくらいに自然で、子供達が楽しく英語を発しているという印象を受けた。また先生がオールイングリッシュで進めている姿をみて、来年から中学校で教える私にとってとてもいい刺激とプレッシャーになった。発表後は数名かから質問もあり、日本での韓国の英語教育に対する注目度の高さを再実感した。いろいろな意見がきけ、とても刺激的で、有意義な一日であった。
松永真那美(常葉学園大学4年)
子供に英語活動の主導権を持たせる ―コミュニケーションのためのゲームやワークシートー
國本和恵(子供英語)
國本先生の発表を通して児童英語や小学校英語の問題点、それを解決するための活動の在り方は聞いていてよくわかった。しかし、実際の現場での活動には、疑問に思うこともあった。教室内の様子を少し見せて頂いたが映像が見えにくかったせいか、児童の活動は、あまり積極的な発話ができていないのではと感じてしまった。発表のタイトルから、具体的なコミュニケーション活動やワークシートを見せていただけることを期待していたのが、その点は今回の発表には含まれていなかった。
カードゲームやパソコンを使用した活動の紹介があったが、子供たちの活動の様子を見ていて自らの発話に導くことの大変さが分かり、楽しさと能力の育成を同時に達成することの難しさを感じた。
國本先生が英語を通して一番に教えたいことは国際交流であり、そのためにコミュニケーション能力を育てたいという思い、どんな時にも、自分の意見、考えを持ち、それを言葉で相手に伝えたり、相手の話を聞ける人間を育てたいという思いは分かった。今回の発表を聞いて、子供を教えることの難しさを改めて実感した。子供が自ら学べるような環境や楽しく身につけられる環境作りが大切で、教師はそのために常に子供の視点で物事を見て、教材作りに工夫していかなければいけないと思った。
芹澤早由里(常葉学園大学4年)
研究会報告
今回は、再び「中部学院大学小学校英語指導研究会」からの報告です。と言いますのは、去る12月13日の例会に、研究会の名誉顧問でもあり、中部学院大学の客員教授でもあられる久埜百合先生をお迎えする機会があったからです。
当日は、児童英語の根本に立ち帰る、貴重なお話をたくさん頂きました。予定の2時間を大幅に超えてからも、久埜先生には参加者からの質問に丁寧にお答え頂き、一同名残惜しい気持ちを残しつつ、会場を後にしました。心地良いながらも気持ちの引き締まるその時の雰囲気や、久埜先生のお言葉の全てをお伝えすることは到底できませんが、つい大きく頷いてしまった先生からのお話の一部をご紹介し、報告に代えさせていただきます。なお、筆者の解釈で要約している箇所もありますことをご了承下さい。
・子どもとのeye contactがなくなるような指導は、先生に問題がある。子どもが先生を見ていたくなるような表情、声、教材が大切。
・少量のインプットですぐに言わせる、上手に言えるかを確認するなど、母親が子どもに絶対にしなかったことを、先生は言語教育の場で行ってしまう。
・‘have’ を扱うとき、I have a book.とクラス全員にリピートさせるのでは、@実際は持っていないのに嘘の発話をさせる、A1つの文章だけを使った質の低いインプットしか与えない、ことになる。本当のことを言ったり、お互いの持ち物を当て合う活動をさせれば、@情報量が上がる、A文法の仕組みが分かる、ことにつながる。
・子どもたちの習得は、「言う」ことから見えるわけではない。
・ペアやグループ活動の間、必ずしも良い英語が流れているわけではない。同じ質の活動を先生の手中、コントロール内で行うことを考える。
また、「目立ちたがりで発話の多い、反応の良い子が興味・関心も高いかというとそうではない。おとなしい子、じっくり考える子どもの評価が難しい」との参加者からの意見を受け、子どもがそれぞれに垣間見せる、関心や理解を示す態度を大人が見過ごさないことの大切さを確認し合って閉会となりました。
野田かなえ(中部学院大学)
私のアイディア
Small
Changeの大切さその2
いつものレッスンに小さな変化(Small change) を加えることで、活動は何倍にも増えます。なぜSmall changeをするのか?それは、子どもはSmall changeをすぐ見つけ、それをエンジョイするからです。 発見の喜びが子どもを生き生きさせます。このSmall changeの工夫は、自分の生徒を一番よく知っている先生だからこそできるのです。そしてその工夫は無限大。次の質問?なぜ “Small” changeであって “Big” changeではないのか? それはbusyでlazy(ゴメンナサイ!)な先生にとって、実行しやすいからです。これは大切なことです。
活動紹介
Snowflake作り
白色の丸い紙からSnowflakeを作ります。 Snowflakeの写真をみせえて、外見は多様だが、すべて6つのpointがある(六方晶系)であることを伝えます。
1. All of the snowflakes have 6 points.
2. Let’s count them.
3. Fold the circle in half.
4. Fold the half circle in thirds.
5. Cut a “V” shape into the open edges to get six points.
6. Cut out notches along the folded sides.
7. The more pieces you cut out, the fancier the snowflakes will be.
8. You open your paper at the same time.
9. 1, 2, 3, open!
Small changeの例
・違う色の折り紙でやる。雪は白。でもカラフルな雪があっても面白い。
・はじめに円形の色紙を渡さず、正方形の折り紙に円を描くことからはじめる。マグカップ・茶碗・缶などの丸い部分を利用する。
・年齢の高い子は、コンパスを使う。
・折り紙を最後に一斉に開く時に、10, 9, 8, …3, 2, 1, open!とみんなで数える。
(上記は「子ども英語」2003年12月号(アルク)に執筆・掲載させて頂いたものを一部加筆修正したものです。)
箕浦 永生(English House)
JASTEC中部支部事務局
487-8501
春日井市松本町1200中部大学
英語英米文化学科 塩澤正研究室内
0568-51-7248(研究室ダイヤルイン)
0568-52-0622 (FAX、学部事務室)
http://shioz.isc.chubu.ac.jp/JASTEC